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西千葉をカッコよくしたい!なぜか西千葉に本社屋を構えるZOZOに潜入

公開日 : 2025.10.31

西千葉で最もクリエイティブな場所。 それは間違いなく、ここでしょう・・・。

ファッションEC「ZOZOTOWN」でおなじみの株式会社ZOZOの本社屋です。

でも、なぜあのZOZO本社屋が西千葉に?
多くの方が思うであろう疑問を調べるために、ZOZO本社屋を訪問してきました。


いざ!答えを求めてZOZO本社屋へ!

今回取材に応じてくれたのは穏やかな雰囲気が印象的な、ZOZOソーシャルフレンドシップ部ディレクターの梅澤孝之さん。
「こんにちは〜!」と明るくにこやかに迎えてくれました。

ようこそZOZOへ。まずは地下へ行きましょうか

外観から、ただのオフィスでないことは想像していましたが、まさか、この建物に地下があったなんて驚きました。

インタビューをさせていただく地下に向かう階段の踊り場や通路には、いたるところにアート作品が。なぜ、これほどまでアートにあふれた本社屋なのかは、後ほど紹介します。

©Waku
©AUTOMOAI 2021


千葉市、千葉大学との包括連携協定。なぜ西千葉に本社屋を?

早速ですが、ZOZOは千葉市や千葉大学と包括連携協定を結ばれていますね。なぜ本社屋を西千葉に構えたのですか?

はい。まず、“一歩引いてナチュラルに過ごせる場所って、どこだろう?”と考えたときに、『あ、千葉だ』って思ったんです。それで、もう24年前になりますが、本社屋を海浜幕張に構えることにしました。

それからは、ZOZOマリンスタジアムのネーミングライツだったり、幕張ビーチ花火フェスタ(千葉市民花火大会)への協賛だったり、地域と関わる活動をいろいろ続けています。

そんな中で、“もっと地域と深くつながっていけたらいいな”という想いもあって、千葉市さんや千葉大学さんと包括連携協定を結ばせていただいたんですよ。

西千葉、であることに何か特別な理由があったんですか?

今の本社屋がある西千葉には、5年ほど前(2021年)に移りました。見ていただくとわかるんですが、千葉大学をはじめとして教育機関がすごく多くて、文教地区としての歴史もあるんです。かと言えば、昔ながらの住宅地でもあって、子どもからお年寄りまで幅広い世代の方が暮らしている地域なんですよね。

駅前にはチェーン店も多いんですけど、少し歩くと個人店が元気に営業しています。お店の人や地域の方々がすごくいろんな活動をされていて、“自分たちのまちは自分たちで盛り上げていく”という熱量みたいなものを感じたんです。そういう姿に、すごく惹かれました。

だからこそ僕らも、“このまちを一緒に盛り上げていくプレイヤーになれたらいいな”と思ったんですよね。そして、そんな熱いまちだからこそ、自分らしく働けるんじゃないかと感じて、西千葉を選びました。

なんというか、日本の中でも“ここだけの空気感”がある、そんな唯一無二の魅力を感じたんです。

梅澤さん自身、西千葉オフィスになって変わったこととか、よかったなと思ったところはありますか?

なんていうか、普通のオフィスビルって、“ただ働きに行くだけの場所”になりがちじゃないですか? 朝行って、デスクに座って、決まった時間にビル内のカフェでランチして、また黙々と仕事して…。効率的ではあるんですけど、どこか味気ないというか。

でもここ、西千葉のオフィスは違っていて、“ちゃんと日常がある”んですよね。行き交う人の表情が豊かだったり、まちの空気感が感じられたり。仕事場というより、“まちの中にある居場所”って感じなんです。

もちろん、仕事はちゃんとやるんですけど、どこかで誰かと立ち話をしたり、ふと気になったお店に入ってみたり、そんなちょっとした出来事が、新しいアイデアに繋がったこともあって。

みんなでご飯を食べに行ったり、たわいもない会話をしたり、そういう“余白”の時間が、すごく大事だなって改めて思ったんです。効率だけじゃない、豊かさのある働き方ができているなって、日々感じています。


いつもの“仕事”に“日常”を。ZOZOが大切にしていること

確かに、これほどのアートが飾られているとオフィスが単に“働きに行く場”という枠に収まらない感じがしますね。

ZOZOでは“仕事”のことを“自事(しごと)”って表現するんですよ。これは、誰かに言われてやるものじゃなくて、“自分の意志で取り組むこと”を大切にしたいっていう想いからそうなりました。

で、そういう働き方をしていくうえで、やっぱり“日常”があるかどうかってすごく大事にしてるんです。なんていうか、“背伸びせずに、自分たちらしく自然体でいられる”空間をつくりたかったんですよね。

ここに来るまでの間にも、いくつかアートがあったと思うんですけど、正直『これ何?』っていう、ちょっとよくわからないものもあったかもしれません(笑)。でも、そういう“???”があるからこそ、そこから『これって何だろうね?』って会話が生まれたりするじゃないですか。そういう空気感、すごく大事にしてるんです。

あと、アートにキャプション(説明書き)をあえて付けていないのもそのためでして。“見る人が自由に感じていいんですよ”っていう余白を残してるんですよ。正解を押しつけるんじゃなくて、一人ひとりの感覚で楽しんでもらえたらいいなって思っています。

確かに。これって何ですか?と聞いてしまいましたね

みなさん、そんな感じです。あとは、足元をよく見てみてください

足元、ですか・・・

ひょっとして、これもアートですか?

散々アートの話をしておいてなんですが、これはZOZOのコーポレートロゴです。コーポレートロゴで使用している○△▢を表してるんですよ。よく見てみてください

あ、ほんとですね。すごく細かい部分にまでこだわっているんですね

言われなきゃ気づかないかもしれませんが、実はこういう“遊び心”、オフィスのあちこちに散りばめられてるんですよ(笑)。

ZOZOTOWNには、「想像と創造の行き交う街」というコンセプトがあります。“イマジネーションの想像(SOZO)”と、“クリエーションの創造(SOZO)”、この2つの“ZO”を掛け合わせて“ZOZOTOWN”って名付けてるんです。そういう“クリエイティブな力”とか“想像する力”みたいなものを、会社としてすごく大事にしています。

だから、昔から社内にアート作品が飾られていたり、普段あんまり手に触れられないような、ちょっと特別な家具が置かれていたりするんです。そういう空間が“創造力”を育ててくれるし、働いている自分たちにとっても“この会社、ちょっとすごいな”って思える、誇りにつながっている気がしています。

梅澤さんがおっしゃる通り、ZOZO本社屋内にはたくさんの遊び心を感じるものがありました。


一味も二味も違ったアートだらけのZOZO本社屋

オフィスという建物からは想像もできないような数々のアートたち。

今回、実際に西千葉本社屋で出会えたアートの一部をご紹介します。


©AKIO OHMORI

入口のそばに大きな象。すごく目を惹きますね。
これは象?ZOZOだからZO、ダジャレか何かですか?

いや、実は全然関係なくてですね・・・

そ、そうなんですか。あ!足元に小銭が置かれていますね

はい。一部の社員が勝手に置いたのが始まりです。
お賽銭?みたいな感じですかね。だからといって、とくに意味はないんですけど(笑)

なるほど。でもなんか、ご利益がありそうですね

そうですね。こういう風に歩きながら自然と会話の種になるというか、そういった部分含めて全部アートですね

 

ZOZO本社屋エントランスには、こちら以外にもアート作品が多数飾られていました。

©Ayako Rokkaku
©Meguru Yamaguchi/山口歴 ©Takuro Tamura

本当にアートがたくさん。ん?これは文集ですか?なぜこんなところに

それは日記と言いますか、ZOZOの歴史と言いますか、ただのエッセイと言いますか・・・。とりあえず、アートです!(笑)

アートに定義はないということですね!ここまでくると納得です(笑)

 

他にも社内用会議室は、壁一面がアートで飾られ、さらに会議テーブルは卓球台だったりします。

 

こちらは、開放感のある執務室。
布地のドレープを表現したデザインは、巨大なガラス張りの窓に格子状の天井が特徴的です。
採光をふんだんに取り入れつつ、天井部分は、布の折り目と縦糸横糸を表現していてデザイン面でも機能面でも優れたクリエイティブ。

アートも驚きましたが、執務室がとても広い。。柱は一本もないですし、天井が高くて、窓は全面ガラス張り。すごく開放的ですね!

実は、執務室の床の高さと、外の道路の高さをあえて“同じ”にしてるんですよ。
ちょっと不思議ですよね(笑)。

で、ふと窓の外を見てみると、買い物をしている人がいたり、ZOZOの広場で遊んでいる子どもたちの姿が見えたりして。

ここは、もちろん“働きに来てる”場所なんですけど、どこか“日常の延長線上にいる”ような感覚ってありませんか?
そういう自然な空気感が、仕事にもいい影響を与えてくれるんですよね。

確かに。すぐそこに、いつも見ている日常の風景が感じられますね。
なんか、落ち着きます!


 

地域とつながる「ZOZOの広場」「ZOZOSTUDIO」。そして西千葉との関係について

執務室から見えるZOZOの広場は、ZOZOが地域とつながる場所として無料開放しているスペース。隣にはコーヒースタンドが設置されたZOZOSTUDIOがあり、こちらも一般利用が可能です。

週末には、ZOZOの広場やZOZOSTUDIOでイベントを行うなど、まちの人と積極的に交流している印象を持ちました

はい、イベントもそうですし、あとはZOZOとして町内会にも入っていますよ

近頃は住民ですら入らない人がいるという、町内会にも加入しているんですか!

一緒に町内の清掃活動をしたり、7月には盆踊り祭りを運営したり、あとはZOZO本社屋を使って敬老会も行いましたね

年配の方々とも交流があるのは意外でした

人とのつながりもそうなんですが、地元の飲食店さんともすごくいい関係を築かせてもらっているんです。

実は、ZOZO本社屋には社食がないんですよ。でもその代わりに、近くのお店でごはんを食べるとスタンプがもらえる『ZOZOコネ』っていう社内制度があるんです。なんか、地元の“食”を楽しむきっかけにもなるし、スタンプがたまると“ガラポン”が回せて、ちょっとした特典がもらえるんですよ(笑)。

そういう、まちと自然につながる仕掛けが、日常の中にあるのがいいなと思っていて。

すでに西千葉というまちに馴染まれているんですね。
今後も西千葉を拠点に活動されていくと思いますが、これからの西千葉、ZOZOとしてどう関わっていきたいですか?

西千葉って、やっぱりエネルギーがあるんですよね。先ほども話しましたが、ふらっと歩いてるだけでも、いろんな活動をしてる人がいたり、まちに関わる熱量みたいなものを感じられるんです。

そういう場所だからこそ、“もっとユニークで特別なまちにしたいな”って思っていて。

ZOZOとしても、これまで千葉で24年かけて大切に育ててきたカルチャーがあるので、それをこのまちにも少しずつ伝えていけたら嬉しいですね。

うちの企業理念が『世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。』なんですが、まずはこの西千葉をもっとカッコよくして、たくさんの笑顔があふれるようなまちにできたらいいなって思っています。

 

ZOZOの本社屋は、働く場所であると同時に、日常と創造が交差する「まちの一部」でもあります。
アートや地域との関わりには、すべて理由があり、どれも“ZOZOらしさ”を表現するもの。
「自事(しごと)」という働き方を掲げ、自然体で過ごせる空間を大切にするその姿勢は、ただの企業活動にとどまらず、まちの未来を一緒につくるプレイヤーとしての覚悟にも見えました。

西千葉は、これからもっと“カッコよく”なっていく。そんな予感を胸に、ZOZO本社屋をあとにしました。

 

株式会社ZOZO

・住所:千葉県千葉市稲毛区緑町1丁目15−16